3Dプリンタについて調べていくと、「結局どれを選べばいいの?」「種類やスペックが多すぎて分からない」と感じてしまう方は多いのではないでしょうか。
実際、3Dプリンタは価格帯も性能も幅広く、スペック表や比較記事を見れば見るほど迷ってしまい、「最初の1台選び」でつまずいてしまうケースは少なくありません。
私自身、機械設計エンジニアとして業務で3Dプリンタを扱ってきましたが、初心者の方が失敗しやすいポイントには、はっきりとした共通点があります。
それは、最初の1台に求めるべき条件が整理できていないまま選んでしまうことです。
この記事では、「最初の1台で失敗しないために、どんな基準で選べばいいのか」「初心者が本当に見るべきポイントは何か」を、難しいスペック比較に頼らず、分かりやすく整理して解説します。
記事のゴールは、「最初の1台として安心して選べるFDM方式の3Dプリンタを決められること」です。
細かい知識がなくても、「これを選べば大きく失敗しない」と思える状態になれるよう、不安を一つずつ解消しながら説明していきます。
この記事で分かること
- 初めての3Dプリンタで失敗しない選び方
- 家庭用FDM方式の初心者向け機種の違い
- 置き場所・造形サイズ・安心感で自分に合う機種を判断
- 初めて揃えるフィラメントや必要ツールの組み合わせ
- 複雑なスペック表に悩まず、最初の造形を始める方法
最初の1台で失敗しないための前提条件
最初の1台を購入したくても「何を選べばいいか分からない」「最初から間違えたくない」「高いものを買うべき?」と迷うことがあります。
最初の1台選びで失敗しない最大のポイントは、「家庭用FDM方式に絞ること」です。
そこで、すでに始め方の記事で説明した前提条件を、ここで再確認しておきます。
結論から言うと、最初の1台で失敗しないための前提条件は、大きく2つだけです。
家庭用FDM方式で十分
- 趣味や個人利用であれば、性能・価格のバランスが良い
- 扱いやすく、「まず1個造形できた」という成功体験を得やすい
- メンテナンスや消耗品・材料の管理がシンプルで、長く使い続けやすい
実際、初心者が最初につまずきやすいのは、「調整が分からず、テストプリントまで辿り着けない」というケースです。
家庭用FDM方式であれば、初期調整や操作がシンプルな機種が多く、造形に必要な作業を一つずつ確認しながら進められます。
その結果、「とりあえず1個造形できた」という成功体験を得やすく、3Dプリンタを挫折せずに続けやすくなります。
高性能・業務用を選ばなくていい理由
高性能・業務用の3Dプリンタは自由度が高い反面、調整項目が多く、調整ミスによる失敗も起こりやすいです。
例えば、
- 初期調整が複雑で、最初の調整だけで時間がかかる
- トラブルが起きても、原因が分からず手が止まる
- そもそも何が正解か判断できない
といった状態になり、「まだ何も作れていないのに疲れてしまう」ことがあります。
まずは家庭用FDM方式で「安定して造形できるか」「1個作り切れるか」を体験し、用途や相性が見えてからステップアップ機を検討すれば十分です。
初心者が見るべきポイントはこの3つだけ
前提条件が分かると、次に「何を基準に選べばいい?」「スペック表が読めない」と迷いがちです。
ですが、初心者が最初の1台を選ぶときに見るべきポイントは、3つだけです。
この3点を押さえておけば、細かいスペックで悩む必要はありません。
造形の安定性
最も重要なのは、ちゃんと造形できるのか? という点です。
初心者が最初につまずきやすいのは、
- ノズルが詰まる
- 造形途中で剥がれる・反る
- 最後まで出力できない
といった、「原因が分からない失敗」が続くことです。
そのため、
- ノズル詰まりや反りなどのトラブルが少ない
- 安定して造形できるという評価が多い
こうした実績のある機種を選ぶことが、失敗を減らす近道になります。
初期調整のシンプルさ
初期調整や組み立てでつまずかないかも、重要なポイントです。
特に、初期調整をすべて手動で行う機種は、「何が正解か分からないまま調整を繰り返す」状態になりやすく、初心者には負担が大きくなります。
そのため、以下のような初期調整を自動で行える機能があると安心です。
- ベッドレベリング
- Zオフセット
- エクストルーダーキャリブレーション
また、組み立てについても、
- 完成品
- 分割されたユニットを組み合わせるだけ
といった構成であれば、組み立てが苦手な人でも問題なく始められます。
情報・解説の多さ
初心者にとって、「困ったときに調べて解決できるか」は非常に重要です。
情報が少ない機種を選んでしまうと、
- トラブルが起きても原因が分からない
- 調べても事例が見つからない
- 結局そのまま使わなくなる
といった状況に陥りやすくなります。
そのため、
- フォーラムやQ&Aが活発
- 解説動画が多い
- 日本語マニュアルや記事が充実している
こうした情報が豊富に見つかる機種を選びましょう。
情報が多いほど、失敗しても学びながら進められ、初心者でも安心して使い続けられます。
この条件を満たすおすすめ機種
条件は分かったけど、実際どれを買えばいい?という点については、以下の2機種がおすすめです。
- Bambu Lab A1 mini
- Bambu Lab A1
まずこの2機種はどちらも
- 家庭用のFDM方式
- 造形の安定性に定評がある
- オートキャリブレーション(自動調整)あり・組み立てが簡単
- 情報・解説・ユーザーが多い
という点で、初心者向けの基準を満たしています。
Bambu Lab A1 mini
初めてで迷わず決めたい人向けに、Bambu Lab A1 mini は、
- ほぼ組立不要の完成品状態のため、20分ほどで初プリント開始可能
- 電源を入れて指示どおり進めるだけで、調整作業に迷わない
- 静音・コンパクトで置き場所の自由度が高い
- 初期費用が抑えられる(価格帯がお手頃)
「まず1台目で失敗したくない」人にはこれが最も安心感がある選択肢です。
Bambu Lab A1 mini は、セールが不定期で開催されます。購入タイミングによってはお得に手に入るので、価格を抑えたい方はチェックしてみてください。
Bambu Lab A1 mini の価格・在庫を確認する↓
Bambu Lab A1
「もう少し自由度もほしい」人向けに、Bambu Lab A1 は、
- 分割された2つのユニットを組み合わせるだけで簡単
- A1 miniと同じ感覚で使えて、造形サイズだけが広がる
- やや将来の用途拡張にも対応しやすい
「ミニよりも大きいモデルを作りたい」「複数同時造形する可能性がある」人向けです。
Bambu Lab A1 も同様に、セールが不定期で発生します。必要に応じてタイミングを狙うことで、お得に購入できます。
Bambu Lab A1 の価格・在庫を確認する↓
どっちを選べばいい?判定チャート
① 「置き場所が限られている」 → A1 mini
電子機器のスペースが限られている人や、初めてでシンプルさ重視の人に最適。
② 「大きい物を作る予定」 → A1
実用品や複数パーツ、比較的大きいモデルを造形したい場合はこちら。
どちらも安定性・自動調整・簡単操作という点では共通で、最初の1台として安心して選べる機種です。
最初に一緒に揃えると安心なもの
「買ったあと何か足りなくならない?」「すぐ失敗しそうで怖い」そんな不安を感じている方のために、3Dプリンタと同時に揃えておくと安心できるものを紹介します。
ここで紹介するものだけ揃えておけば、最初のテストプリントで困ることはほとんどありません。
フィラメント(PLA)
3Dプリンタで造形するために、フィラメントは必須です。
慣れるまでは、造形が安定しやすい「PLA」を選べば問題ありません。
PLAは、
- 反りにくい
- 臭いが少ない
- 調整がシンプル
といった特徴があり、初心者向けの材料です。
メーカー純正フィラメントを選ぶ理由
ここでは、3Dプリンタ本体と同じメーカーである Bambu Lab 製のPLAフィラメントをおすすめします。
理由はシンプルで、失敗しにくく、迷うポイントが減るからです。
- 3Dプリンタとの互換性が高く、設定で悩みにくい
- 推奨設定(プリセット)が用意されており、調整なしでも造形しやすい
- 品質が安定しており、詰まりや反りなどのトラブルが起きにくい
- 万一トラブルが起きても、原因の切り分けやサポート対応がスムーズになりやすい
細かい違いを理解する必要はありません。
「純正PLAを選べば、材料選びで失敗しにくい」と覚えておけば十分です。
PLAフィラメントのおすすめはこちら↓
基本ツール
以下の工具があると、造形後の取り外しや簡単な調整がスムーズになります。
- スクレーパー(造形物の取り外しが楽)
- ニッパー(サポート材の取り外しに使う)
- 六角レンチ(組み立てや簡単な調整に)
- ノズルクリーナー(詰まり予防用・出番は少なめ)
多くは3Dプリンタ本体に付属しています。
足りないものがあれば、必要になってから買い足せば問題ありません。
補助・安定化アイテム
ここからは必須ではないものですが、失敗ややり直しを減らしたい場合に役立つアイテムです。
フィラメント防湿ケース(ステップアップ)
理由:最初は不要。でも失敗の原因になりやすい。
PLAは湿気の影響を受けにくい材料ですが、保管状態によっては造形品質が不安定になることがあります。
最初は袋のままでも問題ありませんが、
- 造形が不安定になってきた
- 糸引きや表面荒れが増えた
と感じたら、最初に検討したい対策アイテムです。
無停電電源装置(UPS)
理由:長時間造形での「やり直し防止」
数時間以上の造形を行うようになると、
- 停電
- ブレーカー落ち
によって、途中まで作った造形がすべて無駄になることがあります。
長時間造形を行うようになったタイミングで、データと時間を守る保険として検討すると安心です。
ここまでで、「何を一緒に揃えると安心か」は分かったと思います。
では実際に、どのプリンタを選び、何を組み合わせれば迷わず始められるのかについては、次の章でまとめて紹介します。
購入前によくある不安と注意点
- QBambu Lab公式のダウンロードデータは、A1 miniでもすべて造形できますか?
- A
一部の大型モデルはA1専用サイズのため、A1 miniでは造形できません。
ただし、初心者向け・実用向けのデータの多くはA1 miniでも問題なく造形できます。「公式データをすべて試したい」「大きめのモデルも作りたい」場合はA1を選ぶと安心です。
- Q騒音や振動はA1 miniとA1で違いがありますか?
- A
実際のユーザーの声では、A1の方が若干大きいと感じるケースがありますが、造形精度に影響が出るほどの差ではありません。実際には個体差や設置環境(机・床・防振対策)の方が影響することが多いです。
- Qフィラメントは吸湿すると使えなくなりますか?造形物にも影響しますか?
- A
フィラメントは空気中の湿気を吸う性質があり、吸湿すると造形不良の原因になることがあります。一度吸湿したフィラメントも、乾燥させることで改善する場合はありますが、新品同様に完全に戻るとは限りません。
なお、造形後のPLA製品が日常環境で吸湿して問題になることはほとんどありません。初心者のうちは、使わないときは袋に入れて保管すれば、過度に気にする必要はありません。
- Q初心者向けの3Dプリンタでも、長く使い続けられますか?
- A
はい、使い続けられます。
長く使えるかどうかは「初心者向けかどうか」よりも、構造の安定性、消耗品の入手性、ユーザー数の多さで決まります。
A1 mini / A1は構造がシンプルで調整箇所が少なく、純正パーツや消耗品も入手しやすいため、家庭用途であれば数年単位で使い続けることは十分可能です。
最初の1台では、無理に高精度や高負荷な設定を常用せず、安定した条件で使うことが、結果的に長く使うコツになります。
- Q使い慣れてきたら、性能不足を感じることはありませんか?
- A
家庭用途や趣味レベルであれば、A1 mini / A1でできることはかなり幅広く、すぐに物足りなくなるケースは多くありません。
造形サイズや連続運転時間に余裕を持ちたい場合はA1、設置スペースや価格を重視するならA1 mini、という選び方をしておけば、後悔しにくいです。
最初から「上位機を買わないと失敗する」ということはありません。
迷ったらこの組み合わせでOK
「まだ少し不安」「本当にこれでいいのか決めきれない」そんな方のために、初心者が迷わず始められる組み合わせをまとめました。
ここにあるセットを選べば、追加で何かを買い足さなくても、すぐに最初の造形を始められます。
A1 mini と A1 の安心ポイント
A1 mini と A1 の安心ポイント
どちらの機種も、
- オートキャリブレーション搭載で、初期調整でつまずきにくい
- 造形の安定性に定評があり、初心者でも失敗しにくい
- 情報・解説・ユーザー数が多く、困ったときに調べやすい
という点で、最初の1台として安心して選べる条件を満たしています。
A1 mini は、「とにかくシンプルに、失敗せず始めたい人」向け。
A1 は、「最初から少し大きめの造形も視野に入れたい人」向け。
基本的な使い勝手や安定性は同じなので、置き場所と作りたいサイズで選べば問題ありません。
Bambu Lab A1 mini 安心セット
- 3Dプリンタ本体:Bambu Lab A1 mini
- フィラメント:PLA(メーカー純正)
最初の1台で失敗したくない人に最も安心な組み合わせです。
Bambu Lab A1 mini は、セールが不定期で開催されます。購入タイミングによってはお得に手に入るので、価格を抑えたい方はチェックしてみてください。
Bambu Lab A1 mini の価格・在庫を確認する↓
Bambu Lab A1 安心セット
- 3Dプリンタ本体:Bambu Lab A1
- フィラメント:PLA(メーカー純正)
少し大きなモデルも作りたい人向けの安心セットです。
Bambu Lab A1 も同様に、セールが不定期で発生します。必要に応じてタイミングを狙うことで、お得に購入できます。
Bambu Lab A1 の価格・在庫を確認する↓
このどちらかを選べば、
- 3Dプリンタ選び
- 材料選び
- 初期設定での迷い
を最小限に抑えた状態で、3Dプリントを始められます。
あとは実際に造形しながら、必要なものを少しずつ足していけば十分です。
次にやるべきこと
どの機種を選ぶか決まったら、次は実際に1つ作ってみましょう。
初心者向けに、開封からテストプリントまでをまとめた記事はこちらです。


