作成した3Dモデルのアセンブリを作りたい!Assembly4ワークベンチの使い方を知りたい!と願望を持っていませんか?
Assembly4はFreeCADのインストール直後に存在しませんが、アドオンマネージャーで追加すれば使えるようになります。
しかし、操作方法が複雑で感覚的に分かり辛いため、マニュアルに沿った学習が必要です。
私も操作方法が分からず苦労しました。
そこでこの記事は、Assembly4ワークベンチの使い方について、筆者が自分の力で調べて操作できるようになったことを整理したので、参考にしてください。
この記事でわかること。
- アセンブリの組み方
アセンブリの作り方を習得したい方は、是非ともこの記事を読んであなたの「ものづくり」に役立ててください。
アセンブリとは
複数の部品を組み立てた組立品のことです。
主に製品状態を表現したり、部品の位置合わせや、組付け後の静的干渉チェック、組付け時の動的干渉チェックの利用に使います。
ワークベンチの追加
アセンブリのワークベンチは、FreeCADの標準ワークベンチに含まれていないため、アドオンマネージャーで追加しておく必要があります。
アセンブリを作成するワークベンチはいくつか存在しますが、代表的なのが下記の2つ。
- 面合わせや軸合わせなど、幾何学形状で拘束するのがA2plusワークベンチ
- 座標系を設定して拘束するのがAssembly4ワークベンチ
(A2plusとAssembly4の互換性はありません)
ここではAssembly4ワークベンチの使い方について解説していきます。
執筆時のバージョン情報は「v0.50.2」です。
ワークベンチの追加の仕方がよくわからない!という方は、ワークベンチの追加の仕方をこちらの記事にまとめているので参考にしてください。
アセンブリの流れ
部品を作成したら色替えをして、下記の手順でアセンブリを作成します。
- ローカル座標系の作成
- 新規ドキュメントの作成
- アセンブリコンテナの作成
- プロジェクトの統合
- 部品のリンクを挿入
下図に2部品のシンプルなアセンブリの構造を示します。
語尾の数字は手順の番号に対応しています。
部品の作成
アセンブリの構成部品を作成しておきます。
モデリングの方法がよくわからない!という方は、モデリングの方法をこちらの記事にまとめているので参考にしてください。
3Dモデルの色替え
各部品の3Dモデルの色がデフォルト設定のままだと、アセンブリを作成したときに識別しにくくなるため、色替えをしておきます。
ローカル座標系の作成
Assembly4は座標系で部品を合致させるため、まず各部品にローカル座標系を配置します。
Part Designワークベンチを選択した状態で、穴のエッジを選択して、ツールバーの「ローカル座標系を作成」アイコンをクリックして座標系を作ります。
ツリーの「Body」と「Local_CS」はアセンブリを作成するときの選択肢に複数出てくるため、わかりやすい名前に変更しておきます。
名前の変更方法は「Body」や「Local_CS」の上で右クリックして「名前の変更」を選択するとできます。
同様にパイプについても同じ作業を繰り返します。
ここでは名前を下記の様に変更しました。
- ベース:「Body」→「Body_base」、「Local_CS」→「Local_CS_base」
- パイプ:「Body」→「Body_pipe」、「Local_CS」→「Local_CS_pipe」
Local_CS(Local Coordinate System)とは、ローカル座標系のことで、Assembly4で部品を配置する場合、このLocal_CSを設定して合致させます。
これで部品の作業は完了なので、名前を付けて保存しておきます。
新規ドキュメントの作成
「新規」アイコンをクリックしてコンボビューのタブをモデルに切替えると、ツリーに「Unnamed」が追加されているので、部品ファイルと同じ場所に名前を付けて保存しておきます。
ここでは名前を「Assy」と入力しました。
アセンブリコンテナの作成
ワークベンチをAssembly4に切替えます。
ツールバーの「New Assembly」アイコンをクリックすると、コンボビューのツリーに「Parts」と「Assembly」が追加されます。
- Parts:アセンブリの構成部品を格納
- Assembly:アセンブリの設定内容を格納
プロジェクトの統合
メニューバーの「ファイル」→「プロジェクトの統合」で、部品のベースを選択します。
ツリーの中にBody_baseが追加されると共に、3Dビューにも3Dモデルが表示されます。
このBody_baseをPartsへドラッグしてPartsの要素に入れます。
同様にパイプについても同じ作業を繰り返します。
なお、ツリーにBodyが存在している状態で「New Assembly」アイコンをクリックすると、Bodyを自動でPartsの要素に入れることができます。
部品のリンクを挿入
作業を開始する前に、開いているファイルを保存して開き直します。
Partsを選択したらスペースキーを押して3Dモデルを非表示にします。
ツールバーの「Insert Part」アイコンをクリックすると、「Insert a Part」ウインドウが表示されます。
Select Part to be inserted(挿入する部品を選択)から「Assy#Body_base(Body)」を選択して「Insert」をクリックすると、コンボビューに「place linked Part」が表示されます。
補足として、ファイルを開き直さなかった場合、作業を続けることはできますが、選択する部品名が保存前のファイル名で表示されてしまいます。
Attach to(接続先)は「Please select」→「Parent Assembly(親アセンブリ)」を選択します。
「Select LCS in Parent」の「LCS_Origin」をクリックしたら「OK」をクリックします。
つまり、この設定はツリーのModelに紐付いている座標系(LCS_Origin)に、ベースの座標系(Local_CS_base)を合致させることを意味します。
「LCS_Origin」とは原点の座標系のことです。
ツリーの中にBody_base001が追加されると共に、3Dビューにも3Dモデルが表示されます。
同様にパイプについても同じ作業でアセンブリにリンクを挿入します。
パイプの向きの調整が必要な場合、「Rotate X+90°あるいは、Rotate Y+90°、Rotate Z+90°」をクリックして、狙いの位置にできたら「OK」をクリックして完了です。
部品の配置を編集
必要があれば、部品を別の座標系に移動することもできます。
コンボビューのツリーに表示されているBodyのうち、移動させたい方をクリックします。
すると、ツールバーの「Edit Placement of a Part(部品の配置を編集する)」アイコンが選択できるようになるので、クリックするとコンボビューに「place linked Part」が表示されます。
Attach toや「Select LCS in Part」「Select LCS in Parent」の内容を決めて「OK」をクリックします。
アセンブリの階層構造
部品点数の多い製品を1つのアセンブリで作成した場合、部品を探すのに時間が掛かったり、拘束が複雑化するため編集するとエラーが発生しやすくなります。
そこで、サブアセンブリを作成して、トップのアセンブリの下に配置(階層構造)すると管理しやすくなります。
アセンブリの階層構造の作り方
Top_AssyとSub_Assyの2つのファイルを用意します。
Top_Assyのファイルを開いたら、Sub_AssyのファイルをTop_Assyの3Dビューへドラッグします。
コンボビューのツリーに追加されたSub_Assyの文字は、Top_Assyの文字に比べて太字になっています。
この太字はアクティブであることを意味します。
ドキュメントをアクティブに切替えるためには、ツリーの中のドキュメント名をダブルクリックすればできます。
Top_Assyをダブルクリックしてアクティブにします。
ツールバーの「Insert Part」アイコンをクリックしてSub_Assy#Assemblyを選んで設定すれば完了です。
保存したデータの移動
1つのドキュメントに作成したアセンブリは、1つのファイルで保存されます。
しかし、複数のドキュメントにアセンブリを作成した場合は、ファイル数も複数になるため、データの移動に注意が必要です。
ファイルを移動させるときはFreeCADを終了して、リンク関係にあるファイルを一緒に移動させます。
リンク関係にあるファイルが別々のフォルダに移動した場合、アセンブリファイルを開いても別のフォルダのファイルは表示されません。
まとめ|FreeCAD アセンブリ|部品の組み方を初心者向けに解説
ここでAssembly4のできないことをまとめておきます。
アセンブリを習得したら
アセンブリを習得したら、下記のリンクから学びたい内容の記事に進んでください。
おすすめは「Fasteners」「アニメーション」「組立図」です。