FreeCADのインストールと初期設定までは終わったものの、「最初に何をすればいいのか分からない」「どの順番で学習すればよいのか知りたい」と悩んでいませんか?
FreeCADは、パーツモデリングや図面作成、アセンブリ、FEM、レンダリングなど、非常に多機能な3DCADです。その反面、操作画面が直感的とは言いづらく、体系立てた学習が欠かせません。
私は機械設計のエンジニアとして、業務で5種類以上の3DCADを使用してきた経験から、個人のものづくりにFreeCADを活用したくて、使用頻度の高い機能の学習を続けています。
そこで本記事では、FreeCADの代表的な機能と、効率的な学習手順をまとめて解説します。
本記事は、各機能を図解付きでわかりやすく紹介しているため、初心者の方でもFreeCADの基本を一通り理解できます。
FreeCADの使い方を習得したい方は、ぜひ本記事を参考にして、あなたの「ものづくり」に役立ててください。
この記事で分かること
- FreeCADの全体像と、効率的な学習の進め方
- スケッチからパーツモデリングまでの基本的な考え方
- 板金・サーフェス・アセンブリの使いどころ
- 部品図・組立図の作成とデータ出力の流れ
- 解析・レンダリングを含めた次のステップへのつなげ方
FreeCADの機能と学習手順
FreeCADの学習手順としては、まず「スケッチ」で作成した輪郭線を基に、「パーツモデリング」で部品を作成します。
さらに、「サーフェス」では曲面形状を、「板金」では曲げ形状などの3Dモデルを作成します。
作成した部品や板金モデルからは、「部品図」で設計図を作成したり、「アセンブリ」を構築して「ファスナー」でねじなどの締結用部品を組み付けたりできます。
また、「アニメーション」を使ってアセンブリの動作確認を行い、「組立図」でアセンブリ全体の図面を作成することも可能です。
さらに、作成したモデルや板金、アセンブリを対象に、「FEM」による構造解析を行ったり、「レンダリング」でリアルな画像を生成したりすることもできます。
このようにFreeCADは非常に多機能なため、目的の作業を行うには、どの機能をどの順番で使うのかを理解することが重要です。
学習の流れについては、下図で確認してみてください。

FreeCADの始め方や初期設定を知りたい方は、下記の記事をご参照ください。
FreeCAD スケッチ
3Dモデルを作成する場合、基本的に3Dモデルの基となる輪郭線をSketcherワークベンチで描きます。
輪郭線は作図コマンドだけでなく、幾何拘束コマンドや寸法拘束コマンドを上手く使って、完全定義の状態にします。
- 作図コマンド
- 幾何拘束コマンド
- 寸法拘束コマンド
- 完全定義と未定義
作図コマンド
作図コマンドは輪郭線を作成するためのコマンドです。
作りたい形状に合わせて大まかに描きます。

幾何拘束コマンド
幾何拘束コマンドは形状を規制するためのコマンドです。
作図コマンドで大まかに描いた形状を、幾何拘束コマンドで整えていきます。

寸法拘束コマンド
寸法拘束コマンドは形状の寸法を規制するためのコマンドです。
幾何拘束コマンドで整えた形状を、寸法拘束コマンドで位置や大きさを指示します。

完全定義と未定義
未定義の輪郭線を放置しておくと、形状の編集を行ったときに意図しない形状に変形することがあるため、輪郭線は固定された完全定義の状態にします。

FreeCAD パーツモデリング
スケッチの輪郭線から3Dモデルを作成したい場合、Part Designワークベンチのモデリングコマンドを使います。
- モデリングコマンド
- 文字のモデリング
- 計測コマンド
モデリングコマンド
モデリングの基礎となるモデリングコマンドの使い方を、下記の手順で解説していきます。
作りたい形状によって、最適なコマンドを自分で選ぶ必要があるため、一通りすべてのコマンドを使えるようになっておく必要があります。

文字のモデリング
入力した文字列から、モデリングコマンドで凸形状あるいは、凹形状を作成します。

計測コマンド
Part Designの「Measure」コマンドは、体積と中点、中心点を計測できないので、代わりにAssembly4ワークベンチのMeasureと、FCInfoのマクロを使用します。

FreeCAD サーフェス
Part Designでは困難な曲面の形状を作成したい場合、サーフェスワークベンチとPartワークベンチのコマンドを使います。
サーフェスの作り方
サーフェスの作り方
稜線やガイドカーブを指定すれば作成できます。

ここでは要点のみ整理しています。詳細は下記の記事をご参照ください。
FreeCAD 板金
板金の3Dモデルを作成したい場合、SheetMetalワークベンチの板金コマンドを使います。
- 曲げ形状の作り方
- 曲げ形状から展開形状の作り方
曲げ形状から展開形状の作り方
曲げ形状をコマンドで展開すれば、隣接する形状の隙間をチェックすることもできます。

ここでは要点のみ整理しています。詳細は下記の記事をご参照ください。
FreeCAD 部品図
3Dモデルから部品図を作成する場合、TechDrawワークベンチを使います。
第三角法による投影図の配置や、断面図、詳細図、寸法、注記、表題欄の記入など、JIS機械製図に極力合わせた図面を作成できます。
- 3Dモデルから部品図の作り方
- 部品図をDXFとPDFでエクスポート
3Dモデルから部品図の作り方
3Dモデルから部品図の出力方法までを、下記の手順で解説していきます。

部品図をDXFとPDFでエクスポート
PDFでエクスポートした部品図を下図に示します。

ここでは要点のみ整理しています。詳細は下記の記事をご参照ください。
FreeCAD アセンブリ
複数の3Dモデルからアセンブリを作成したい場合、Assembly4ワークベンチを使います。
作成したアセンブリに、ねじやナット、座金などの締結用部品(ファスナー)を組付けたい場合、Fastenersワークベンチを使います。
- アセンブリの組み方
- ファスナーの組み方
アセンブリの組み方
位置合わせは座標系による合致のみ対応しています。

ファスナーの組み方
ファスナーは立体形状の丸穴のエッジを選択してから、ファスナーアイコンをクリックすると、選択したエッジに一致させて組付けできます。

FreeCAD アニメーション
Assembly4ワークベンチにはアセンブリを作るだけでなく、アニメーションの機能もあるので、これを使えばアセンブリの動作を確認できます。
- 変数の作成
- アニメーション用のスケッチの作り方
- アセンブリのアニメーション化
アセンブリのアニメーション化
手順どおりに進めると、下図に示すとおりのアニメーションが作れます。画像をクリックすると動作の確認ができます。

ここでは要点のみ整理しています。詳細は下記の記事をご参照ください。
FreeCAD 組立図
アセンブリから組立図を作成したい場合、TechDrawワークベンチを使います。
部品が複数ある組立図では、上記の「FreeCAD 部品図」の内容に加え、部品欄の作成とバルーンの配置、部品の組付け指示が必要です。
- アセンブリから組立図の作り方
- 組立図をDXFやPDFでエクスポート
アセンブリから組立図の作り方
アセンブリから組立図の出力方法までを、下記の手順で解説していきます。

組立図をDXFやPDFでエクスポート
PDFでエクスポートした組立図を下図に示します。

ここでは要点のみ整理しています。詳細は下記の記事をご参照ください。
FreeCAD FEM
作成した3Dモデルの強度を確認したい場合、FEMワークベンチの構造解析を使います。
解析は与えた条件で結果が変わるため、結果を分析して妥当性があるところまで確認する必要があります。
- 構造解析の結果の出し方
- 解析結果の分析
構造解析の結果の出し方
手順どおりに進めると、下図に示すとおりの解析結果を出せます。

解析結果の分析
ここでは、材料力学の公式から計算で得られる理論値と解析結果を比較したり、応力分布の表示と最大応力の予測をしたりします。

FreeCAD レンダリング
作成した3Dモデルからリアルな画像を作る場合、Renderワークベンチを使います。
- カメラやライト、マテリアルの設定
- レンダリングでリアルな画像の作り方
レンダリングでリアルな画像の作り方
手順どおりに進めると、下図に示すとおりの画像を出力できます。

ここでは要点のみ整理しています。詳細は下記の記事をご参照ください。
FreeCAD 練習問題
FreeCAD使い方の記事から「初期設定」「スケッチ」「Part Design」「モデリングコマンド」「アセンブリ」を読んだ方は、学習した内容の定着を図るため練習問題を解いてみてください。
- 第三角法の図面からモデリング
- マルチボディのモデリング
- 2点間距離と面積、体積、重心座標の計測
第三角法の図面からモデリング
問題の指示どおりにモデリングする方法を解説していきます。

2点間距離・面積・体積・重心座標計測
3Dモデルを作成したら、問題の指示どおりに測定する方法を解説していきます。

次にやるべきこと
FreeCADで3Dモデルを作成できるようになったら、次のステップは実際に形にしてみることです。
作成した3Dモデルは、3Dプリンタを使えば自分の手で出力し、寸法精度や組み付け、強度などを実物で確認できます。
「設計 → 出力 → 検証」という一連の流れを体験することで、FreeCADの理解もより深まります。
3Dプリンタをこれから始めたい方や、必要な準備・出力までの基本的な流れを知りたい方は、下記の記事をご参照ください。

















